ヒケは樹脂が固まるときの収縮の程度が周りの場所と異なる為、その場所が凹んで見える現象です。成形直後は目立たなくてもしばらくすると収縮が進んで目だったりもします。
成形トライなどで条件を作っている場合は色々な角度から原因を想定する必要があります。一般にヒケにかんして確認すべき項目は以下の通りです。
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・保圧圧力そのものが不足している場合がもっとも可能性が大きいです。ただしゲートシールする前に保圧が終わってしまうというような保圧時間が短いという事もあり得ます。さらに製品末端部のヒケなどでは射出速度が遅く溶融樹脂が固化してしまって保圧が届いていないという現象もあり得ます。
製品の状況と設定した射出速度、射出保圧切替位置、保圧圧力、保圧時間などをよく考慮して対策の方向を見出しましょう。無理に保圧圧力だけを上げていきますとバリや製品の金型へのくらい付きなどの原因になりますので要注意です。
・製品形状の問題も大きいです。基本板厚が厚すぎるとどうしてもヒケますし、基本板厚に対して基本板厚の0.5倍以上の板厚のリブなどがあると、どうしてもヒケやすいです。ボス裏も同様です。このような場合は形状変更を検討する必要がある場合が出てきます。
・その他の条件面では一般論として樹脂温度は低めがヒケにくく、金型温度も低めがヒケにくく、射出速度は遅めがヒケにくいです。ただしこれらはすべて程度問題で溶融樹脂の流動に影響が出るほど下げてしまうと逆効果になると考えられます。さらに背圧も高めが溶融樹脂の密度が上がって良い傾向にあります。また経験上、薄板形状の製品はできるだけ射出で製品を末端まで充填させた上で、保圧に切り替えるのが効果的であると感じています。
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