異物(コンタミ、白点、黒点)

 

異物不良は色々な原因が影響する不具合現象のひとつです。

発生源で大きく分類すると①材料と一緒に持ち込んでいるもの、②スクリューの中で材料が炭化するなどしてこびりついたもの、③さらに金型が開いた時に付着するものなどが考えられます。

それぞれ仮説を作って対策を打ち効果を確認していくという地道な不良対策活動が必要になります。

 

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まず材料と一緒に持ち込むという視点では、工場が汚くってゴミや汚れが入ってしまうというのは論外ですが、意外と乾燥機やホース、ホッパーなど材料の輸送経路が汚れていることがあります。ですから材料の輸送経路は良くチェックしましょう。

また紙袋の材料ですと開封時に紙や糸等の混入が考えられます。それともう一つは材料の粉です。ペレットに付着したこの粉が溶融せずに異物として出てくることもありますので、このような場合は粉取り装置などの設置が効果的です。

ただ一つ覚えておいてほしいと思うことに、材料はスクリューで混錬されるという事実です。よっぽど大きな異物や、透明物の中の白点などを除けば、異物は材料の中に練り込まれてしまって目立たないということです。

 

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次にスクリューの中の汚れが剥がれて出てくるケース。色物の成形時に黒点が発生して苦労するというようなケースがこれにあたります。これに関しては材料の炭化によるスクリューへのこびりつきを防ぐために、まず材料の熱履歴を極力抑える条件の作り込みが必要になります。

例えば乾燥を高温でやりすぎない、シリンダー温度を高くし過ぎない、計量の回転数を早くし過ぎない、背圧をかけ過ぎない、クッション量は極力少なくする、計量待機を使う等です。

なぜならスクリューにこびりつく汚れは、炭化物が一般的でこの炭化物は材料が熱によって分解されて発生するものだからです。ただしシリンダー温度は低すぎると材料の溶融粘度が高くなりますのでこびりついた材料を連れてきやすいという欠点もありますので要注意です。

すでに汚れがこびりついている場合や異材がうまく排出されない等の不具合は、スクリューを抜いて掃除すれば手っ取り早いですが、実際問題として特に大型機のスクリュー清掃などはあまりやりたいものではありません。よってパージによる清掃が一般的かと思われます。

パージ条件としてはノズル部などの材料置換には“少量を高速で何回も“が基本だと思います。スクリュー部では”できるだけ背圧を上げる“ことが基本になると思います。この考え方に加え、パージ時の温度をどうコントロールするか、パージ材は何を使うか等の工夫が必要になってきます。

パージ材にはガラス繊維などで物理的に汚れを落とすものや、化学的に汚れを落とすものなどがあるそうなのでメーカーと相談していろんなものを試すと良いと思います。時間が許せばですが、基本的には化学的なパージ材で汚れを浮かせて、物理的なパージ材でこそぎ落とすという考え方が基本かと思います。

また豆知識ですが、材料置換を行った後、シリンダーのヒーターを切ると汚れがスクリューから剥離して次の生産が大変になると聞いたことがあります。このような場合にはヒーターを保温モードにしておくと良いようです。それと分解を防ぐために窒素を供給して酸化を防止するという手段もあるそうです。

 

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最後に金型への汚れの付着ですが、まずは成形機周りの環境を整備することが最初だと思います。それから次に、どこから汚れが来るのかの仮説を立てて検証していく作業になると思います。例えば取り出し機のレールなどから汚れが落ちてくる、供給されるエアーが汚れている、金型のアタリ面が摩耗して金属粉が発生するなどの事例があります。

個人的見解ですが、製品表面に異物が発生している場合はこの金型への汚れの付着が最も可能性が高いような気がします。

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不具合対策の考え方

 

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