メモ

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最終更新日: 2018年04月30日  ゴムの射出成形を新規追加

2018年04月14日  品質管理の基礎を追加

2017年11月21日  成形機の基本操作を追加

2017年10月16日  不具合対策 コンタミを追加

2017年09月11日  計量に関する新しい技術を追加

2017年09月07日  不具合対策 艶ムラを追加

2017年08月02日  不具合対策 ヒケを追加

2017年07月28日  不具合対策 シルバーストリークを追加

2017年07月19日  技能検定に関する項目を追加

2017年07月07日  不具合対策 ショートショットを追加

2017年06月20日  一部誤記訂正

2017年05月09日  樹脂成型の通信教育を追加

2017年05月03日  QC検定に関する記事を追加

2017年04月03日  ”射出成形って何してるの”に成形機の動作を追記

2017年03月31日  ”成形条件を一から作る手順”に他の成形機での条件出しについて

2017年03月12日  シボのメンテナンスに関して記載

2017年03月06日  背圧に関してコメントを追記

2017年02月26日  プライバシーポリシー記載

2017年02月25日  背圧に関してコメントを追記

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ゴムの不具合対策の考え方




基本は樹脂の射出成形でも説明したように5M(人、材料、機械、金型、条件等)をきちんと分析して対策を行うこと。それと量産中なら変化点に着目することなどの点は変わりません。ここでは個別の不具合減少に対して簡単な説明をしておきます。

①加硫不足

化学反応がきちんと終了していない状態です。外観的にはその部分が膨れたりしますし、カットすると内部に小さな気泡がたくさん見られます。ノズル温度が低い、金型温度が低い、加硫時間が短いという事が考えられます。成形条件を決める際には金型温度と加硫時間のマトリックスを作り実際に成形してみてどこで加硫不足が発生するかを確認し、安全を見込んで金型温度と加硫時間を設定することをお勧めします。ちょっと注意する点として天然ゴムは高温で加硫すると製品の耐久性が悪くなる傾向にあるという点と、加硫戻りといって長時間加硫すると硬度が逆に下がってしまうという現象がみられる点です。

②エアー

材料をキャビティ内に流し込む過程で、エアーをトラップしたまま加硫すると発生します。製品が一部欠けたような状態になったり、小さな気泡を含んだスポンジ状に発泡したような状態になったりする。対策としては型温を上げる、ゲート位置を変更して流れを変える、真空引きをかけるなどがありますが、どうしても安定しない場合はエアベントを立てることが多いです。

③ヒケ

加硫中に材料収縮の影響で材料がキャビティ内で動く(逆流する)ことで発生します。製品がへこんだ状態になり、ゲート部やパートライン周辺に発生しやすいです。また低硬度の材料ではより発生しやすい傾向にあります。対策としては型温を下げる、充填量を少し増やしたり減らしたりする、射出速度を遅くするなどがあるります。またゲート部ならば絞り形状を追加する、パートライン部なら金型の突き当てを調整するという方法もあります。

④パートライン割れ

ヒケと同様の現象で、パートライン部を押し広げると割れていることが確認されます。計量がオーバー気味でだったり、パートのあたりが悪かったり、カエリがあったりすると発生しやすいです。対策はヒケと同様です。

⑤バリ噛み

前の成形ショットのバリが金型に残ってしまい、その残ったバリが次の成形に入り込んだ現象。最終充填部に発生しやすいです。対策としては前の成形ショットのバリを完全に除去することであるが、そのためにもバリが除去しやすい、またはバリが残らない金型構造の工夫が求められます。

⑥焼け

ノズル先端に残った加硫が進んだゴム材料や、射出途中で加硫が進んだゴム材料が製品に混ざることです。外観的にはバリ噛みに似た状態のものや、部分的にただれたような外観になるものなどがあります。使用期限が迫った材料や射出時間が長い時などに発生しやすいです。対策としてはスプルーのヤケだまり(樹脂で言うコールドスラグウェル)を大きくする、型温やノズル温度を下げる、射出時間が長すぎる場合は速度を上げるなどがあります。

⑦ピンホール

脱型時などで製品を引き延ばしたときに小さな穴が開く現象。材料内のカーボンの分散が悪かったり、材料内に小さな異物が入っていた時などに発生しやすい。材料による対策が基本ではあるが、成形では脱型時の製品の過度な伸びを抑えるとか、計量時のスクリュー回転数を上げる(背圧が効く機械なら背圧を上げる)などが考えられます。

 




ゴムの成形条件の作り方について




ゴムの射出成形でもまず最初に設定するのは温度関係です。ここではノズルの温度と金型温度を設定します。

①ノズル温度の設定

ゴムの成形機にはインラインスクリュータイプの成形機やプランジャータイプの成形機がありますが、どちらにしても可塑化された材料を何度程度に保つかという観点で温度設定をします。イメージはスクリューで可塑化した材料を予熱しておくといったところでしょうか。

そしてそれぞれの材料に応じた温度を設定します。一般的には以下の表のようなイメージです。

 

②金型温度の設定

ゴム材料を焼き固めるための温度設定です。これも材料によって適切な温度がありますので以下のような感じで設定します。

 

続いてその他の条件を設定していきます。

①金型開閉速度

基本的には樹脂の射出成形と同じで、ゆっくり開いてスピードアップ。そして型閉じは高速でスタートしスローダウンするといった内容です。

②イジェクター突き出し量と速度

こちらも樹脂の射出成形と同様です。突き出し量を設定して、ゆっくり突き出しを開始したのちスピードアップ。戻すときは素早く戻して最後にスローダウンします。

 

温度とその他条件が設定出来たら充填するための成形条件を作っていきます。

①加硫時間を設定します。樹脂で言うところの冷却時間に相当します。ここは材料が同じ類似品を参考に、肉厚等を考慮して設定します。例えば類似品が3分であれば同様に3分に設定します。もし類似品より少し肉厚であれば3.5分などと設定します。

②計量は少なめから開始して増やしていきます。樹脂では計量を多くして射出保圧切り替え位置を決めてから計量を下げていきましたが、ゴムではお勧めしません。ゴムはシリンダーやプランジャー内で予熱されている状態ですので、樹脂で説明した方式では材料が長時間シリンダー内部で熱を受けるため化学反応が進んでしまいます。

③射出は圧力と速度で制御しますが、ショートショットから試し打ちをしながら少しずつ充填させていきます。30秒以内で充填が完了するように調整します。射出ですべて充填させるイメージです。その後軽く保圧をかけておきます。

④加硫状態や外観品質などを確認しながら、条件を調整していきます(条件調整については不具合対策の項目を参考にしてください)。

⑤連続成形して品質の安定を確認します。

以上がゴムの射出成形の条件設定の簡単な説明です。

 




 

ゴムの射出成形について




このサイトは樹脂の射出成型の条件出しの基本的な考え方を説明するために作ったサイトですが、ゴムについてもちょっとだけ説明しようと思います。

ゴムの部品は射出成形やプレス成型、押し出し成形などで作られますが、ここでは射出成形について説明します。

まずは樹脂の射出成形とゴムの射出成形での相違点をいくつか説明します。

①まず、一番大きな相違点は樹脂は”流して”、”冷やして”、”固める”のに対して、ゴムは”流して”、”焼いて”、”固める”という点です。樹脂で言うところの熱硬化樹脂と同じような工法になります。ですからゴムの射出成形に用いる金型は160度とか180度などの高温になっています。その高温の金型から取り出された製品も成形直後はとても熱く触るとやけどするぐらいです。イメージで言うとタイ焼きやもみじ饅頭を作っているようなものだと思います。そのためサイクルタイムは樹脂の射出成形と比較すると極端に長いものになります。

②次に、材料が違います。まず形状的には樹脂材料はペレットと呼ばれる粒状の材料ですが、ゴムはリボンやテープと呼ばれる帯状の材料を用います。40㎜~50㎜程度の幅で、厚みが8㎜~10㎜程度が一般的のようです。そして樹脂の材料は基本的には放っておいても劣化しませんが、ゴムの材料には賞味期限があります。すなわち放っておくと使えなくなるということです。これはゴムは焼いて固めるといいましたが、焼くという工程は、加硫と呼ばれ化学反応を起こさせているためです。常温で放置していても、材料の中では少しずつ化学反応が進んでいき、だんだん使えなくなるというわけです。

③そして3つ目はアンダーカットを無理抜きすることができるという点です。ゴムは焼き固められると化学反応が起きて固まりますので、その固まった形状をある程度記憶したような状態になります。そこで無理やりアンダーカットになっている部分を金型から無理抜きしても、無理抜き時には変形するものの脱型後もとの形状に戻るというわけです。まあ、限度はありますが・・・

④4つ目にゴムはバリが出ます。ゴムは金型内で圧力と熱を受け加硫という化学反応が起きて固まっていくのですが、その途中で一度流動性が高い状態になります。この時にどうしてもパート面から材料が漏れてしまってバリになってしまいます。金型の加工精度をかなり高くして取り数を減らしてやればバリなし成形というのもできないことはないですが、量産性が極端に落ちますので一般的には採用されません。

これらの相違点を踏まえたうえで、成形条件の作り方を説明していきたいと思います。

 

成形条件の作り方トップページ

成形技能検定に関するページ

品質管理の基礎に関するページ

 




5.品質管理の資格




品質管理の資格には品質管理検定(QC検定)という日本規格協会が主催する資格試験があります。

1級、准1級、2級、3級、4級、という区分に分かれており、年に2回ほど試験が行われています。

製造業においては、品質管理の知識はすべての従業員が知っておくべき知識のひとつだと思いますので、できれば職場のリーダークラスはQC検定3級ぐらいを持っているのが望ましいのではないでしょうか。

QC検定(日本規格協会へのリンク)

QC検定受検テキスト3級新レベル表対応版 わかりやすいこれで合格 (品質管理検定集中講座) [ 細谷克也 ]

過去問題で学ぶQC検定3級(2018年版) [ 仁科健 ]

 

なお、本サイトの品質管理のページで使用している図などは日本規格協会の資料より引用してます。




・QCストーリーに基づく活動事例




それでは射出成形を例にQCストーリーの事例を考えてみましょう。

まず最初はテーマと目標の選定です。ここではあるAという製品の不良が多くて、大きな損失が出ているということにしましょう。よってテーマは”製品Aの不良低減”ということになります。目標は不良金額のXX円からXX円への低減とか、不良率5%を1%に低減するなどになります。

続いて現状把握です。7つ道具のチェックリスト(記録するチェックリスト)を使って、不良の発生状況を調べていきます。1直分をチェックすると、640個成形して、その内シルバーが10個、異物が25個、傷が1個、汚れが1個、発生していることが分かったとします。不良率で表すと5.8%ほどの不良が出ていることになります。

この程度の結果なら、わざわざパレート図を描くまでもないのですが、通常はこのデータをもとに7つ道具のパレート図を描きます。すると不良の最大原因が異物で、次の原因がシルバーでこの二つを重点的に対策しなくてはいけないということがわかります。

次に対策案を考えるために特性要因図を作成して、異物やシルバーの原因になる要因を書き出していきます。その中で特に疑われる項目には丸を付けておくとよいでしょう。そうして丸を付けた項目を中心に、対策案を考えることにします。

特性要因図を描いて原因を想定したときに、パージの方法に問題があるのではないかという疑問が生まれました。スクリューにこびりついた炭化した材料が排出されて異物になるとか、前の成形の材料が残っていて、それが分解してガスの原因になっているのではないかと疑ったのです。そこで今度は層別したデータを取ることにしました。段替えマンBさんと段替えマンCさんによって、層別します。結果を見るとCさんが段替えしたときに不良が多いことがわかりました。

この結果から、Cさんのパージ方法が悪いため、スクリューの中の異物が除去されない状態で成形をスタートさせたため異物やシルバーの発生が起きているのではないかという仮説が立てられます。そうであれば正しいパージ方法を確立していけば不良が減るのではないかという対策が考えられます。よってこの点について対策を実施することにしました。

実際にBさんとCさんの作業を確認して違いを明確にする事から始めます。作業分析などをするときはビデオ撮影などを使うとよいでしょう。作業方法の確認をしたところ、Bさんは背圧を高くしてパージを行っているのに対し、Cさんは背圧をあまりかけずにパージをしていることがわかりました。

確認のためにCさんにパージ方法をBさんに合わせるように指導して、不良率の経過をデータ取りすると、5%発生していた不良率が目標の1%以下になっていることが確認されました。これによりBさんのパージ手順が効果があることが確認できましたので、Bさんのやり方を社内の標準として手順化し、それをすべての段替えマンに指導して歯止めとしました。

こうして製品Aの不良対策ができましたので、まとめをして情報の共有をした後、さらなる不良改善をするのか、次のテーマを選定する作業に移るかを決めていき、改善のサイクルをまわしていきます。

どうでしょうか?イメージがわきましたでしょうか?実際にはこんなに簡単にはいかないと思います。しかし流れとしては理解いただけるのではないでしょうか。




・QC7つ道具




得られたデータをもとに分析をしていって、現状を把握し、対策の案を考えていくわけですが、この分析の手法が有名な”QC7つ道具”と呼ばれるものになります。簡単にその内容を説明します。ちなみに7つと言いながら、実は8つあります(笑)

①パレート図

下図のようにデータを項目ごとにまとめて、何がどの程度の割合で発生しているかなどをわかりやすくするもので、まず最初に改善すべき課題を明確にするときなどに使われます。下図の例で言えばまず最初に対策すべきは 歪み であることがわかります。

②特性要因図

魚の骨(フィッシュボーン)とも呼ばれ、ある結果(特性)に影響する要因をまとめたものになり、下図のようなイメージになります。これは例えば、ある不具合に影響しそうな項目を洗い出し、それをまとめていって作成します。この時先ほど出てきた5Mの視点をもって、関係者でブレーンストーミングなどを実施して作成するとよいでしょう。そして不具合などに対して、重要な要因と考えられるものに対して、対策を打っていくという使い方をします。

③ヒストグラム

ヒストグラムは棒グラフの一種ですが、データの範囲をいくつかに区分して、それぞれの区分にどれだけのデータがあるかを表したものになります。事例は下図のようになりますが、このようにすることによって、データのばらつき具合を目で見ることができるようになります。例えば下図ではばらつきが大きく下限を下回っていることがわかります。

④グラフ

グラフはあまり説明の必要がないとは思いますが、いろいろな種類のグラフがあり、データを理解しやすくするうえで、適切なグラフの種類を選ぶ必要があります。すなわち何を伝えたいかによって、グラフの種類を選ぶことになります。

⑤管理図

管理図は一般的にプロセスの異常を検知するために用いられます。例えばある処理を行うための溶液があるとして、その溶液の比重を毎日はかって記録していくことにより、その変化の傾向を読み取ることができ、異常値になる前に比重を調整するなどの手当てをすることができます。

⑥チェックシート

チェックシートはデータを”記録するためのチェックシート”や、”確認をするためのチェックシート”があります。例えばデータを”記録するチェックシート”は不良の種類をあらかじめ記載しておき、対応する不良の欄に個数を”正”の字などで記録しておくときに使用します。また”確認するためのチェックシート”は設備保全をするときの項目をあらかじめ記載しておき、その作業を実施したらチェックするというように使います。

⑦散布図

散布図は二つの特性をX軸とY軸にとり、データを点でプロットしていって作ります。これによりデータの間にある関係性を見ることができます。例えばXの値が増えるとYの値も増える傾向が見られれば、この二つには正の相関性があるということになります。

⑧層別

層別は母集団をいくつかの層で区切って分析することです。パレート図やヒストグラム、散布図など他の7つ道具と併用で使用することができます。下図の例で言えば散布図との併用になりますが、全体の母集団ではよくわからない傾向だとしても、機械の1号機と2号機で層別することにより傾向が見えてくる事例です。

以上簡単にQC7つ道具を説明してきました。ところでQC7つ道具は事実に基づいて現状を正しく把握するための道具ですが、あくまで道具です。本当に必要なのは、これらを用いて分析をした後、不具合や課題の原因を考えて対策を検討することになります。そして対策を実行し、その結果を確認して、対策が正しかったか?違ったら次に何をするかを考えて、再度対策を打ち、うまくいったら標準化して歯止めとすることになります。




4.品質を改善する活動




品質管理の基本は、その製品の”あるべき姿(品質)”と”現状の姿(品質)”の差(ギャップ)を明確にして、その差(ギャップ)を埋めていく活動と定義することができます。そのために”現状の姿”をきちんととらえるための分析手法や、活動の進め方がいろいろと準備されています。

一般に仕事の進め方の基本は”PDCAサイクル”と呼ばれ、Plan(計画) → Do(実行) → Check(確認) → Action(対策)というサイクルを繰り返すことになります。最初に課題に対してどのように取り組んでいくかを決め(Plan)、そのPlanに基づいて実施し(Do)、実施した結果、効果があったかなかったかなどを確認し(Check)、その確認結果から実施した内容が効果があったか、間違ってなかったかなどを検証し、新たな改善策を考えて取り組む(Action)というイメージになります。

このような考え方をもとにして、それをもう少しわかりやすく改善の進め方を定めたものに”QCストーリー”というものがあります。下図のような流れですが、基本の考え方は”PDCAサイクル”と同様です。①~④がPlanにあたり、⑤がDo、⑥がCheck、⑦~⑧がActionにあたります。このような改善を継続的に繰り返す(継続的改善)ことにより、品質を向上させていこうという考え方です。製造業ではこのような改善を小集団改善活動(QCサークル活動)と呼び、各地で実施されています。

ところで射出成形で作られた製品の品質を管理しようとするとき、射出成形工程を分析する必要があります。射出成形ではまず①材料(Material)があって②機械(Machine)と③金型(Mold)があり、それに④条件や作業手順(Method)を定め、⑤人(Man)が作業します。これら5つの要素を”5M”と呼び、この5Mのそれぞれに分けて分析する必要があります。よくある間違いが思い込みによって、ある特定のどれかが悪いと狙い撃ちにして分析をすることです。(ちなみに機械と金型を一つにまとめて、その代わり測定(Measurement)を加えて5Mということもあります。品質管理の世界ではこちらのほうがメジャーかもしれません)

これら5Mを分析していく上で、データを取る必要があります。例えば製品の寸法などですね。このデータのとり方も気を付けないと間違った判断をするもとになりますので注意が必要です。ポイントはいかにその製品のばらつきを正しく表すデータを取るかということで、例えば8時間の成形で30個のサンプルを取るのに、成形開始直後に30個取るのと、16分ごとにサンプルを取っていって8時間かけて30個のサンプルを取るのではどちらが、その製品全体の状況を表したものになるかという話です。ランダムサンプリングと呼ぶのですが、全体の代表的なサンプルになるように、できるだけ広い範囲で無作為にサンプリングすることが求められます。




3.品質を維持する活動




良い品質の製品を継続的に生み出していくためには、その製品を作り出す工程を良い状態で維持管理していく必要があります。

例えば射出成形の現場を例にとって見ていきましょう。

まずは当たり前ですが正しい成形作業をしなくてはいけません。ところで、どのように行うのが正しい成形作業なのでしょうか?それを決めるため、工程の管理すべきポイントが記載されたQC工程表というものがまず作成されます。続いて、それをもとに各種の作業手順書が作成されます。そうしてこの手順を守って成形作業を行うことで、管理すべきポイントを守った正しい成形作業が行えることになります。

次に正しい手順があっても、それを作業者がきちんと守って作業をしなくては意味がありません。そのために作業者に対する教育・訓練や監督者による現場の確認なども必要になります。

さらに成型機や金型が正しく作動するために、定期的なメンテナンスなどの保全活動も必要になります。

他にも職場の業務手順をきちんと定め、ISOの認定を取得する、そして認証を維持継続するなどの活動もありますし、職場を清潔に働きやすい環境を保ち、従業員のモラルを向上させるために、5Sの推進や、あいさつ運動なども重要な活動でしょう。

このように製造現場で日常的に行われている活動が、すべてつながって品質を維持する活動となっていきます。




2.品質管理の考え方




ところで品質管理は品質部門だけが行うものではありません。工場全体で取り組まないとできない活動です。そしてその活動にはいくつかの原則があります。それが品質管理の考え方になります。その主要な原則(考え方)には以下のようなものがありますが、これらを忘れずに実際の活動を行うことが大切です。

①品質優先の考え方:

工場はコスト削減や納期を守ることも当然大事であるが、その前に品質を優先するという組織風土が必要であるという考え方です。

②顧客志向の考え方:

その品質を優先する考え方の根底には、お客様の立場から見た時に品質は大事なものでであるという前提があるからです。

③後工程もお客様:

顧客志向を拡大していくと、自分の次の工程もお客様ですという考え方につながり、次の工程をお客様として品質を管理するという考え方になります。

④品質を工程で作りこむ:

よい製品を作るためには、その製品を作っているプロセス(工程)をきちんと管理する必要があります。それが品質を工程で作りこむという考え方です。

⑤重点志向の考え方:

現場ではつい解決できそうなものから取り組んでしまいがちですが、そうではなくて優先順位の高いものから取り組んでいかなければならないという考え方です。

⑥事実に基づく管理:

品質管理は思い込みや想像で活動をするのではなく、データで事実を確認して改善などを進めていかなくてはいけません。

⑦管理のサイクル:

後で出てきますが”PDCAサイクル”というものに従って、活動を継続的に続けることを言います。