最初にショートショットから成形していって、PSのサンプルを20個成形する作業になります。注意する点を以下に記載します。
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・シリンダー温度をまず最初に設定して、条件設定はシリンダーを昇温させながら行います。 PSの成形温度は190度から220度ぐらいなので、ちょうど真ん中ぐらいの温度設定とすると良いでしょう。
・金型の温調が入って温度が上がってますので、型締め力設定を再度行うことを忘れずに。
・成形開始前に可動側キャビの竪壁部だけごく薄く離型剤を塗布して固定側に残るのを防止します。
・ノズルタッチ時に、ノズルヨシ!などと指差呼称する。
・シフト成形なので糸切りを忘れないようにしましょう。
計量位置は製品が約50gで試験用の成形機は通常計量1mmが1gぐらいの機械サイズだと思われますので、60㎜程度と考えると良いと思います。
条件的には射出だけで製品をフル充填する(ジャストパック)ぐらいにして、さらに保圧をかけることになると思います。実射出時間は0.5秒ぐらいでしょうか。
保圧はかけ過ぎるとオーバーパックで型が開かなくなり試験終了となりますので攻めすぎには注意ですね。製品が肉厚なのでかなり長時間保圧をかけないといけません。射出保圧時間の設定で10秒以上必要と考えてください。おもな不良のモードと原因を下記に記載します。
・ショートショット、割れ、欠けなどは論外だと思ってください。ただし製品が20個は必ず提出しなくてはいけませんので、常に数個の不良品(できるだけ良いもの)を捨てずにとっておきましょう。
・シルバーは予備乾燥不足、射出速度の速すぎ、サックバックが大きいなどが原因です。
・ウエルドラインは側面に必ず出ますが、Y字型のウエルドはいけません。射出速度を速めて二つのウエルドラインが接合しないようにします。
・白化やクラックはイジェクターピン近くの裏側の角部に出ます。保圧を上げて樹脂密度を高め強度を増すと直ります。
・スリキズはキズ見本と比較して、大きいようなら離型剤を利用ください。
・くもりは材料置換不足や離型剤過多が考えられます。
・スプール部のヒケは射出保圧時間を増やす必要があります。保圧そのものが不足していることも考えられます。
・側面のヒケは単純に保圧が不足していると考えられますが、製品は4段階の肉厚がありますので、あまり肉厚部のヒケ対策は考えない方が得策かと思います。
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